昨今のマラソン大会で注目していることがあります。
それはアラフォーランナーの高速化です。
マラソンは30代から始める人が多いため、練習を積み重ねて40歳前後に速く走れる人が増えること自体不思議ではありません。
しかし、ここ最近更にその傾向が強くなっています。
この傾向は市民ランナーだけでなく、海外や日本のトップ選手にも見られます。
世界で最も速い選手として有名なエリウド・キプチョゲ選手(ケニア)は、今年39歳を迎えますが、世界6大大会(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティマラソン)を制覇すると宣言。
そして、他にも40歳前後で活躍している選手はいます。
とはいっても、
どうせ一部の選手だけなんじゃないの?
という疑問を持っている人もいるハズです。
そんなわけで今回は、40歳前後のトップ選手と市民ランナーにおける記録の傾向をまとめてみました。
是非続きをご覧下さい!
40歳前後の世界トップ選手の記録
まずはトップランナーとして活躍し続けている選手を紹介します。
男子
筆頭として、世界記録(2時間1分1秒)保持者のエリウド・キプチョゲ選手が挙げられます。
現在38歳にも関わらず、記録更新中の選手。
※2023年1月28日時点
INEOS 1:59では人類初のフルマラソン2時間切り(1時間59分40秒)を達成
非公式の大会とはいえ、とんでもない記録です。
INEOS 1:59とは人類初の2時間切りを達成するためのプロジェクトで、通常の大会とは異なり、キプチョゲ選手用のペースメーカーが付いたり、補給し易いなど特殊な環境下での42.195㎞となります。
とはいえ、人類初の2時間突破は偉業であり、公式大会での2時間切りに繋がるであろう素晴らしい結果です。
40歳を迎える2024年開催予定のパリ五輪にも出場する意欲を示しており、オリンピック3連覇を成し遂げようともしています。
ちなみに、世界記録(2時間1分1秒)を更新したのは2022年9月25日に実施されたベルリンマラソン!
つい最近の大会というから驚きです。
そして、活躍しているのはキプチョゲ選手だけではありません。
世界第2位を持つケネニサ・ベケレ選手(エチオピア)も、37歳で2時間1分41秒という記録を達成しています。
年を重ねても好記録をマークしている選手は他にもいます。
名前 | 国 | 記録達成時の年齢 | 記録 |
Abebe NEGEWO選手 | エチオピア | 38歳 | 2時間6分5秒 |
Ayad LAMDASSEM選手 | スペイン | 40歳 | 2時間6分25秒 |
Elkanah KIBET選手 | アメリカ | 38歳 | 2時間9分07秒 |
そう。
世界のトップに40歳前後の選手はけっこういるんです。
女子
女子選手の中にも男子同様40歳前後になっても強い選手はいます。
名前 | 国 | 記録達成時の年齢 | 記録 |
Sara HALL選手 | アメリカ | 39歳 | 2時間22分10秒 |
Keira D’AMATO選手 | スペイン | 37歳 | 2時間19分12秒 |
そして、大注目はこちらの選手です。
名前 | 国 | 記録達成時の年齢 | 記録 |
Edna Ngeringwony KIPLAGAT選手 | ケニア | 43歳 | 2時21分40秒 |
40歳前後と紹介しつつも30代後半の選手が多い中、KIPLAGAT選手は43歳で2時間21分台を達成しているから驚きです。
日本人のベテランランナーも負けていない
日本のベテラン勢も好記録続出中です。
2022年2月に実施された大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会では、37歳の岡本直己選手(中国電力)が2時間8分4秒、同年齢の今井正人選手(トヨタ自動車九州)が2時間8分12秒を達成しています。
しかも、岡本選手については自己ベストという結果。
両選手とも2023年10月15日に開催予定のMGCに出場予定となっているため、本大会での活躍が非常に楽しみです。
市民ランナーにおける20代と40代の記録に大きな差は見られない
一方、市民ランナーの記録の傾向はどうでしょうか?
分かりやすくまとめてある記事を発見しましたので、紹介します。
20歳代〜40歳代までの記録はほぼ横ばいであり、50歳代以降に年齢による記録の低下が始まると記載。
実際のデータでもこの通り、20歳代と40歳代の記録に大きな差はありません。
※日本人男性のみ50代での好記録が多く出ていますが、大枠としては上記傾向が当てはまります。
つまり40歳前後で好記録を狙いやすいということです。
引用元:ランニング学会
GER; 2002〜2009年、ドイツ135のマラソンレース完走者の年代別中央値 (Leyk D et al,2010)
SWE; 1979〜2014年、ストックホルムマラソン男子完走者の年齢別平均値 (Lehto N,2016)
JPN; 2013、2014年「つくば」、2014年の「いぶすき菜の花」、「泉州国際」の4レース男子完走者の年齢別平均値 (森寿仁ら,2016)
USA; 2001〜2016年、ボストン、ニューヨーク、シカゴ3大マラソン完走者の年代別中央値 (Zavorsky GS et al,2017)
引用元:ランニング学会
アラフォーランナーが強い理由
次にベテランランナーが強い理由を分析していきます。
最大の理由は
持久力では若い世代とも勝負できる
からでしょう。
先に述べたとおり、ハイスピードになると瞬発力の高い方が有利となるため、若い世代の方が強い傾向にあります。
しかし、マラソンは持久力がものをいう世界です。
そして、持久力は継続的にトレーニングをすれば伸びやすい性質を持っています。
私自身、知り合いの40代や50代のランナーに1500mや3000mでは勝てますが、ハーフやフルマラソンになると勝てなくなることはけっこうあります。
瞬発系の筋肉については、若い方が強い傾向にありますが、持久力をつかさどる遅筋についてはそこまで大きな差は見られません。
まとめ
アラフォーの皆さん。
今が一番記録を狙いやすい年齢ですので、練習を積み重ねて好記録を狙いましょう!
もちろん、私も狙っていきます。
そんなわけで今回は以上です!
年齢を重ねて記録を狙いやすい競技にウルトラマラソンも挙げられます。
少しでも興味がある人はこちらの記事をご覧下さい。
とっても過酷なコースとして有名な野辺山ウルトラマラソンの体験記です。
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