前回の【マラソンに向けたコンディション編】に引き続き、今回は【ランニングと健康編】を紹介します。
マラソンとコンディション編につきましては、こちらからご覧下さい。
健康管理の一環で開始する人が多いであろうランニングですが、健康へ与える影響をどのくらい理解していますか?
ランニングって健康にいいよね!カロリーを消費するからダイエットに効果的だし。それ以外にメリットはあるの?
ランニングに興味はあるけど、怪我したりしないか不安… …
こんな疑問や不安を抱えている人もいるかと思います。
私もあまり把握していなかったのですが、この本を読むことで、健康への影響に関する理解を深められましたので、今回はその内容を紹介します。
ランニングのメリットと注意点を具体的に理解することは、継続するためのモチベーションアップに繋がると思いますので、是非ご覧下さい。
ランニングによる膝への悪影響について
ランニングをしていると、一度は聞いたことのある膝が痛くなる問題。
著書では
膝の関節の軟骨が摩耗し、骨などに変形が生じて痛みを感じる症状を「変形性膝関節症」といいます。変形性膝関節症は、高齢者の機能障害の主要因です。
引用元:ランニングする前に読む本
と記載されております。
膝が痛くなることで、歩かなくなり、更に筋肉や骨が弱くなる負のスパイラルに陥ってしまう恐ろしい機能障害です。
私の親戚も膝が悪くなり、歩く頻度が減少して以降、徐々に足腰が弱っていきましたので、非常に怖い問題だと認識しています。
そんな変形性膝関節症について、
スタンフォード大学の近郊に住むランナー53名とランニング習慣のない55名について2002年まで少なくとも2回以上レントゲン検査をおこない、経過を観察しました。
初期検査で変形性膝関節症のランナーは全体の6%にすぎず、非ランナーにはまったくありませんでした。18年後のランナー変形性膝関節症罹患率は20%と増えましたが、非ランナーは32%とランナーを超える罹患率でした。
引用元:ランニングする前に読む本
という検証結果が提示されており、ここでは少なくとも長期にわたるランニングで、膝を痛めるとはいえないとの結論を出しています。
ただ、調査対象の人数が少ないため、大規模な研究が必要とも記載。
インターネットでの情報とはなりますが、【ランニング 変形性膝関節症】で検索したところ、ランニングによる悪影響の可能性は低い情報が多く見受けられます。
私の周囲でも、オーバートレーニングしている人以外に、膝を痛めている人についてあまり聞いたことはありません。
つまり、のんびりとしたランニングであれば、膝への負荷も少なく、痛くなるといったことはあまりないのでは?と感じます。
ランニングによる心臓への悪影響について
マラソン大会に参加しているランナーの突然死や心肺停止などが、TVや新聞などで時々取り上げられますので、ランニングは心臓に悪い印象を持っている人もいるかと思います。
著書でも
速いスピードで走れば、過度な負担が心臓にかかるので、危険なのは事実です。
引用元:ランニングする前に読む本
と記載されています。
ですが、
適度なペースを保てば、ランニングは決して心臓に悪い運動ではないといえます。
引用元:ランニングする前に読む本
とあり、交感神経を興奮させないことが重要と記載されています。
交感神経の過剰な興奮なしに運動できることが大切です。というのも、交感神経の興奮は心臓の拍動数を増し、心臓の収縮力を高め、血圧を上昇させるからです。
引用元:ランニングする前に読む本
心臓への負荷を減らす方法として、
ランニングにおいて交感神経が興奮しはじめるのは、笑顔を保てるくらいの低速、にこにこペースで走ったときの運動強度です。
引用元:ランニングする前に読む本
が挙げられており、ここでの【にこにこペース】とは閾値ペースのことを指しています。閾値ペースとは乳酸が溜まり始める速度のことで、感覚でいいますと、少しキツイペースです。もしくは、なんとか1時間キープできるペースが該当。
著書の測定データによりますと、
引用元:ランニングする前に読む本
上記の通り、にこにこペースを超えると中心血圧が急上昇しております。
結論は、
心拍数、心臓の収縮力、中心血圧を掛け合わせることで心臓の酸素需要量、すなわち心臓の負担度を推定してみました。その結果、にこにこペースまでは心臓への負担が安静時とほとんど変わりませんでした。
引用元:ランニングする前に読む本
としており、更に著者以外の7名が同じ実験を試しましたが、同様の結果が得られたとのことです。そのため、設定ペース次第では心臓への負荷をかなり減らせるものと考えられます。
ランニングを続けることで毛細血管の数が増えていく
ランニングは身体の毛細血管を増やすことにも効果的です。
著書では、
毛細血管が増えると、それに比例してリポプロテインリパーゼ※が増えますので、それだけ脂肪が脂肪酸に分解されて筋肉に取り込みやすくなり、脂肪をエネルギーとしてより積極的に使えるようになるのです。
引用元:ランニングする前に読む本
と紹介。
※リポプロテインリパーゼ:中性脂肪を分解する脂質分解酵素
毛細血管が増えることで、脂肪を効率的に燃焼できるようになりますので、体脂肪が気になる人にとって嬉しい情報かと思います。
ランニングを続けることでミトコンドリアの機能が高まる
適度なランニングはミトコンドリアを増やし、機能を高めると考えられています。さらに、高齢者であってもミトコンドリア機能は高まることが示唆されているのです。
引用元:ランニングする前に読む本
とあり、ミトコンドリアは糖や脂肪をエネルギーに変える重要な役割を担っているため、ここでもランニングにおける健康への有効性が挙げられております。
実際、トレーニング前後のミトコンドリア機能を比較する実験が行われており、その結果高齢者でもミトコンドリア機能が高まることを証明。
引用元:ランニングする前に読む本
つまり、どの年齢層も継続的にランニングすることで、ミトコンドリアを増加させ、健康的な身体へ近付けます。
ランニングを続けることで体温調節機能が高まる
ランニングすることのメリットとして体温調節機能の向上も挙げられます。
毎日のようにランニングをしていると血液量が増加し、皮膚により多くの血液を送れるので、より身体の冷却ができるようになります。
高温、多湿の環境で思い切ってランニングすると(もちろん短時間ですが)、1~2週間という短期間に身体がその環境に適応して、発汗量が増え、熱中症にかかりにくくなります。
引用元:ランニングする前に読む本
真夏の炎天下でのランニングは危険過ぎるため、実施するつもりはありません。
ですが、朝や夕方といった気温が下がった時間帯であれば適度な暑さであるため、発汗機能を働かせることができ、体温調節機能向上に効果的であると考えます。
日が出ていない時間帯とはいえ、暑いことには変わりありませんので、楽ではありません。そのため、徐々に身体を慣れさせていくことが継続するためのポイントです。
ランナーは元気で長寿な人が多い
ランナーは健康寿命が長い傾向にあることを証明するために、50歳以上のランナー538名とランニング習慣がない(研究対象となったランナーと生活習慣や体重がマッチした)423名について、20年以上調査しており、以下の結果が提示されています。
引用元:ランニングする前に読む本
血糖値を下げる効果もある
血圧は運動強度に依存しますから、軽強度であれば血圧はわずかしか上がりません。先ほどお話したように、血圧は交感神経の活動が高まると上がります。交感神経の活動が高まると血液中にアドレナリンが放出されますが、運動負荷に対するアドレナリンの変化は乳酸濃度変化とほぼ一致します。にこにこペースは乳酸濃度が増加しはじめる強度ですから、アドレナリン濃度の閾値でもあります。
引用元:ランニングする前に読む本
ここでも無理し過ぎないペースであれば、健康に有効であることが述べられています。
にこにこペース(閾値ペース)自体、遅くはない速度なので、練習でいいますとインターバルといったかなり強度の高いメニューにおいては血圧に影響するのかもしれません。
まとめ
ランニングによるメリットと注意事項を深く理解することで、続けることのモチベーションアップに繋がったのではないでしょうか?
また、悪影響と思われていることも、走るスピード次第では影響度合も異なりますので、無理をしなければランニングのデメリットはほぼないかと考えます。
今回は健康にスポットを当てていますが、ランニングシューズだけ準備すれば開始することのできる手軽さも魅力の1つですし、旅ランや大会への参加など楽しい要素満載のランニング。
まだ始めていない方は是非一度トライしてみては?
今回は以上です!
健康管理の一環として、お酒との付き合い方に興味はありませんか?
お酒好きランナーに知っておいて欲しい内容をまとめていますので、是非ご覧下さい!
コメント