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野辺山ウルトラマラソン体験記【コースの見どころを徹底紹介】

マラソンの雑学

5月22日(日)、星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソンに出場しました。

参加を決めた理由は、日本一難易度が高いウルトラマラソンと言われているため。
これまで、チャレンジ富士五湖、飛騨高山と2つのレースを完走してきましたので、日本一とはいえ問題ないだろうと考えていましたが、野辺山ウルトラマラソンをなめてましたね……
過去一DNFが頭をよぎった大会でした。
今回はそんな野辺山ウルトラマラソンの壮絶さを、余すことなく紹介します。これから参加する方には必見の内容となっていますので、是非チェックしてみて下さい!

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野辺山ウルトラマラソンの難易度

まずはその難易度を紹介します。
野辺山ウルトラマラソンの難易度を示す指標として、完走率の低さが挙げられます。
100㎞男子:66.0%(出走数:1465人、完走数:967人)
100㎞女子:64.3%(出走数:227人、完走数:146人)
※第28回星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソンの結果に基づく
出走者の3分の1が完走できないレベルです。
しかも、ウルトラマラソンに参加する人達はフルマラソン経験者が多数なので、それなりにトレーニングを積み重ねています。
そんな人達でさえ、苦労するのが野辺山ウルトラマラソンであり、最難関コースと言われる所以でもあります。

エントリーと宿泊予約から競争はスタートしている

人気のあるウルトラマラソンなので、毎年すぐに応募が締め切られます
私の場合、2年前に出場予定でしたが、コロナの影響により延期となったため、優先エントリー権にて問題なく参加する権利を獲得できました。
そしてエントリーだけではなく、宿泊施設を巡る競争も勃発します
野辺山ウルトラマラソンは、地域一体となって催されるイベントであるため、宿泊施設への予約も同じ日時に開始します
今回は12月1日に予約受付スタートでしたが、開始直後に予約が殺到しており、電話をかけ続けること6件目の宿泊施設でようやく予約することができました。
まあ、野辺山周辺の宿泊施設を加味して参加人数を設定している筈ですので、宿無しに陥ることはないでしょう。
ですが、会場付近の施設を希望する場合、予約受付開始直後に動くことをオススメします
私が予約を断られ続けた5件の宿泊施設は、いずれも野辺山駅付近だったためです。

超ロング走(フルマラソン以上の距離)で身体を慣らす

エントリー、宿や航空券の予約が完了し、大会に向けた練習をスタートしたいところですが、予約が完了した時期は12月。
フルマラソンに向けた練習がメインであるため、ウルトラマラソン対策はフルマラソンのシーズンオフとなる4月以降です。
そのため、実際に取り組んだウルトラマラソン対策は超ロング走1本(54㎞)のみ。
最低2本は実施したかったのですが、かなりキツイ練習なので、GWに1本だけ実施しました。
目的はフルマラソンより長い距離を体験することです。
ウルトラマラソンの完走経験はありますが、3年前なので、絶対にやっといた方がいいだろうと思い、取り組みました。
実際取り組んでみて、
「やっといて良かった〜」
と思いましたね。
だって50㎞以降一気にしんどくなり、54㎞でストップしましたから。
これがウルトラマラソン本番で発生するとDNFですよ
それだけは何としてでも避けたかったので、超ロング走を実施しておいてホントよかったです。
一度でも経験しておくと身体が慣れるため、本番では更に距離を伸ばせますからね
ウルトラマラソン前には実施することをオススメします。

大会前日

大会の日が近づいてきました。
大会前日に野辺山に到着。

道中のJR小海線には参加者と見られる人達で溢れかえっていました。
野辺山駅から宿泊施設までは、施設が手配してくれたマイクロバスにて移動。
ちなみに私が宿泊した宿はしんたく山荘。
施設はかなり古いため、新しい施設を好む人にはオススメできません
ですが、食事は美味しいですし、スタッフの方々もアットホームな方ばかりなので、思いのほか満足できました
館内はこんな感じです。

入館するといきなりジビエ達が出迎えてくれます。
熊に鹿など野生動物の数々。
ジビエ好きにもオススメです。

食堂

返却口

配膳から返却までスタッフの方がやってくれましたので、あまり意味をなしていないエリアです。

部屋

予約時には相部屋とのことでしたが、運よく1人部屋でした。
大会に向けた準備も全て完了し、8時には消灯。
なんせ、スタート時刻は5時ですからね。
当然のことながら、全く眠れません
大会に合わせて就寝時刻を調整する人もいるみたいですが、めんどくさくてやってられませんでした。
マラソン前日に眠れない日は何度も経験しているため、大きな問題ではありません。
横になって目を閉じているだけで身体は休まっているらしいので、多少なりとも効果はあるのでしょう。

大会当日(レース前)

2時前には起床し、朝食後マイクロバスに乗り込み野辺山駅へ移動。
スタート1時間30分前に野辺山駅へ到着し、そこから会場へ向かいしました。
少し早かったせいか、まだ人の数もまばらでした。

スタートエリアの様子

エイド(スタート地点)

ですが、1時間前にもなると一気に増加。
会場が熱気に満ち溢れてきました。

荷物預けエリアへ移動し、水分補給用のボトル、補給食やスマホなどランニング中に必要なグッズ以外を預けスタート地点付近へ移動。
その後、浜松在住時代のラン友を発見したので、久しぶりの再会を喜び合いました。
スタート地点ではこの通り、かなり元気です。

最初ぐらいはテンション高めじゃないとやってられないですからね。
ちなみに、野辺山ウルトラマラソンでは完走歴を非常に重視しています。
10回完走した人にはデカフォレスト、20回完走者にはユプシロンという名の称号が与えられるんです
なんなら、達成者の名前が野辺山ウルトラマラソンのホームページに掲載される上、スタート地点も一番前、更に専用控室まで用意されている好待遇っぷり。
※今年は密を回避するため、控室は用意されていませんでした。
レーススタート前にはデカフォレストやユプシロンに関する情報が連呼されまくっており、それが次回大会参加への起爆剤になっている気がしました。
まさに、ウルトラマラソン中毒者に特化した大会といっても過言ではありません。
言い方は若干いやらしくなりますが、上手く運営しているな〜と思います。

レーススタート

そんな野辺山ウルトラマラソン!遂にレーススタート!!
最初は若干下り&ハイテンションなので約5分/㎞ペースでした。
正直速いと思いましたが、これも作戦の内。
理由はエイド渋滞を避ける為です。
以前チャレンジ富士五湖ウルトラマラソンに出場した際、ゆっくりスタートしたせいで渋滞に巻き込まれたことがあったので、その対策として前半は速いペースで攻めることにしました。
その作戦が功を奏し、エイドでの渋滞も全くなく順調そのもの。
完走後の記録をチェックしてみると、それもそのはず。
最初の10㎞を53分で通過しており、その段階ではかなり上位でした。
10㎞地点を通過するまでのコースはこんな感じ。

最初の踏切

その後に迎えるJR最高地点

標高は1375m
ただ、あまり驚きはありませんでした。
既に最も標高の高い駅である野辺山駅(1345m)で同じ類の表示を見ているからです。
まあ、駅と地点で違いはあるけど……
と思いながらそのまま通過。
しばらくすると砂利道へ突入します。

こんな感じ。

だらだら登りますが、序盤なので問題なし。
そのまま山の中へ突入。

当たり前のごとく登山口が現れます。

予想していたことですが、若干テンションが下がります。
登山道が付近にあるということは、それだけ勾配がキツイってことですからね。

そんな期待を裏切らず、こんな感じの登山道が続きます。

ロードではなく完全に砂利道です。

なんなら、再び登山用の看板が現れました。

そんなこんな苦しみながらコース最高地点1908mに到着。
ここまでで20㎞弱。
そして、ここからは得意の下りがスタート。
一気にペースアップ!
といいたいところですが、下り一本調子でないところが野辺山のやっかいなところなんです
時々登りが現れるので、上手くスピードに乗れません。

スピードに乗れないことにストレスを抱えながら、到着した第1関門(23㎞地点)。

腹が減ったので、バナナを食べることにしました。
ここでビックリ!

丸ごとバナナ!!

マラソン大会で提供されるバナナって大体半分なんですが、野辺山ではそのまま。
コロナや工数等いろいろ理由はあると思いますが、初めてだったのでビックリ。
周囲のランナーも「一本はちょっと……」と漏らしていた程です。
まあ、私は腹が減っていたので、問題ありませんでした。

第1関門を通過後、しばらく下っている(たまに登り)と稲子湯(35㎞地点)に到着。

ここでは菓子パンが提供されていました。

既製品の菓子パンが丸ごと1個提供されていたので、ここでも「多すぎる」という声が聞こえてきましたが、個人的には全くもって問題ありませんでした。
チョコが入ったデニッシュパンを一気に食べ再スタート。
「さあ!頑張るぞ!!」
と思うのもつかの間。
再び登り坂が現れます。
下りが続くと思った瞬間に登り始める。
いやがらせとしか思えないコースです
私の目の前を歩いているランナーの方々も同じ思いの筈。
「マジでしんどいわ〜」
と思いながら走り続けると、ようやく本当の下りがスタートし、テンションも上がり始めます。

途中の声援にも笑顔で応える程。

ホント応援って力を貰えます。

そうしていると、第2関門(42㎞地点)が現れました。

野辺山ウルトラマラソン名物八峰の湯も楽しめます。


今年はコロナの影響もあり、ウルトラマラソン道中での入浴は無理でしたが、例年は道中に入浴可能とのこと。
そして、ここでは絶対に達成しなければならないミッションがありました。
ミッションとはお腹をスッキリさせること
長時間飯を食べつつ、走り続けると腹の具合がよろしくありません。
途中のエイドで仮設トイレはありますが、和式だと長時間姿勢をキープすることが非常に困難
生まれたての動物のごとく足をプルプルさせながら、全てを解き放つことはできませんので、洋式&ウォシュレットの力を頼ることにしました。
やはり、最新機器は違います
お陰様でお腹だけでなく、心もスッキリしました。
さらに、しばらく下り基調なのでテンションもアゲアゲです。

とはいっても下りばかりでないのが野辺山ウルトラマラソン。
ホームページに載っている標高マップ上では第3関門(50㎞地点)まで下りになっていますが、緩やかな登りが幾度となく襲い掛かってきます
「あの標高マップ、アバウト過ぎるだろ!」
とイライラしながら、ウォーキングとランを組み合わせて先へ進みます。
本来であれば問題なく走れる登り坂ですが、まだ道のりは50㎞以上も続きますので、登りではできる限り足を使わないようにし、下りのみ走るようにしました。

そしてようやく、第3関門に到着。

ここではどら焼きでエネルギー補給をします。

若干ですが、食欲が残っているのが救いでした。
食欲が無くなったらマジで最悪ですからね。
エネルギー補給ができなくなると、走れなくなります。
ウルトラマラソンでは内臓が大事っていいますが、レース後半にそのことをより痛感しますよ。
内臓疲労を貯めずにレースに臨むことを強くオススメします
さて第3関門を出発し、しばらくは登りと緩やかな下りが繰り返し現れます。
徐々に体力と精神力が削られましたが、民家の方々が麦茶やお菓子を振る舞ってくれたお陰で、なんとか第4関門(67㎞地点)に辿り着きました。

素敵なおばあちゃん

第4関門

その後も登りが続きます。
傾斜8%なんて当たり前になっていました。

当然ながらウォーキングで攻めます。
この傾斜を走って登り続けるのは、デカフォレストやユプシロンの方々に任せましょう。

そんなこんなしていると、道沿いに綺麗な滝が現れました。

と思っていたら勘違い。
調べてみたところ、特に名称もない水の流れでしたね。
でも滝っぽいでしょ。
再び走り続けること数十分、74㎞地点に到着。
偶然にも、浜松在住時代のラン友さん2名と合流しました。
1名は応援で、もう1名はランナーとして参加。

野辺山ウルトラマラソンに詳しく、ここから始まる地獄の登りについて教えてくれました。

そうです。

馬越峠が出現しました

ここからは急勾配の登り坂をひたすらウォーキングで攻めます。
走るなんて自殺行為には手を出しません
周囲のランナーも当然のごとく走っていません。
写真で見ると伝わりにくいかもしれませんが、かなりの急勾配です。
ウォーキングでもしんどいくらい。

なんとか5㎞の登り坂をクリアし、第5関門(79㎞地点)に到着しました。

ちなみに、関門の制限時間が17時10分(到着時:15時28分)となっているため、余裕があるように見えますが、実際のところギリギリです。
ゴールの制限時刻が19時なので、3時間30分で21㎞走る必要があります。
「余裕じゃん」
と思われそうですが、80㎞近く走った後なので、かなりハードルは高いです。
ここから下りなのが唯一の救い。

ラン友さんとも別れ、ここからは1人旅を再スタートします。

下っている最中はなんとか6分/kmをキープ。
この勢いを平地でも保ちたいと思っていた矢先、幸運が訪れます!
ランナーズハイの到来です
今更かよと思いながら、平地でも6分/kmをキープし、残り10㎞地点まで走り続けました。
「よしこの調子で頑張ろう!」

そんな私をあざ笑うかのように、再び登り坂が出現します

「ふざけんなよ!」
心の声が漏れた瞬間でした。
近くのランナーさんがこちらをチラッとしていたので、気付かれたのでしょう。
ただ、満身創痍だったせいか、恥ずかしいとも思いませんでした。
むしろ、
「君の気持を代弁してあげた」
と思ったぐらいです。
そして再び、ウォーキングの世界に突入します。
残り5㎞ぐらいで下り坂が現れ、
「ようやく登り地獄終了か!」

と思ったのもつかの間、再び登り坂が見えます。

分かりにくいかもしれませんが、奥の方は登っています。
ウォーキングとランを繰り返し、残り3㎞地点付近からようやくフラットな道のみとなりました。
そして、遂にゴール。
記録は13時間35分
けっこう制限時間ギリギリです。
途中のランナーズハイがなければ、14時間をオーバーしていた可能性は十分あります
だからでしょう。
今回の完走はかなり達成感がありましたね。
まあ、完走というか完歩な感もしますが……
いずれにせよゴールできてよかった。
そして、もう二度と走りたくないと今は思っています。

いかがでしたでしょうか?
野辺山ウルトラマラソン走ったことはないけど、興味がある方にとって少しでも参考になれば幸いです。

ちなみに、これからウルトラマラソン走る人にオススメしたいアイテムがあります。
それはこのソフトカップ。


リュックに外付けできるため、エイドで水分を補給する際、出し入れする手間が発生しません。
よかったら是非試して下さいね。

今回は以上です!

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飛騨高山ウルトラマラソンの体験をまとめています。

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