7月1日、日本陸連がオレゴン世界選手権(7月15日〜24日開催)の代表を発表しました。
パリ五輪に向けた第一の試金石ともいえる大会。
2年先とはいえ、世界陸上で成果を残している選手が五輪で活躍している傾向が高いことも事実です。
大会当日は、名物コンビ(織田裕二氏&中井美穂氏)の実況を楽しむとして、ここでは注目したい選手達を紹介します。
1500mからフルマラソンまで期待を持てる選手達ばかり。
興味がある方は是非続きをご覧下さい。
1500m
こちらは言わずと知れた田中希実選手(豊田自動織機)、そして卜部蘭選手(積水化学)が出場します。
1500mマニアは知っていて当然の2名ですね。
各大会の中距離部門に必ずいるといっても過言ではない選手達です。
特に、田中希実選手については中長距離で世界レベルの走力を持っています。
昨年実施された東京五輪において、1500mで入賞するという快挙を成し遂げ、3分台もマークしています。
ちなみに、田中希実選手は800mと5000mにもエントリーしています。
1種目だけでも大変なのに、3種目エントリーしている時点からも規格外といえるでしょう。
卜部蘭選手は1500mだけではなく800mでも活躍している選手です。
日本最強の中距離専門チームであるTWOLAPSにも所属しています。
※TWOLAPSとは、元日本代表の横田真人氏が中距離界を熱くするために発足したチームです。YouTubeチャンネルもありますので、興味がある人は「TWOLAPS」で検索してみて下さい。
3000mSC(障害)
男子
大本命は三浦龍司選手(順大)ですね!
大学1年時の箱根駅伝予選会からチェックしている選手ですが、逸材中の逸材といえるでしょう。
箱根駅伝予選会は東京都立川市の陸上自衛隊立川駐屯地内で実施されるハーフマラソンですが、この大会でなんと日本人トップ、全体5位の1時間1分41秒をマークしました。
3000mSCが専門とは思えない強さです。
東京五輪でも3000mSCで7位入賞という快挙を成し遂げている非常に期待の持てる選手といえます。
続いては、青木涼真選手(Honda)です。
青木選手は3000mSCで安定した強さを発揮している選手ですが、この選手も箱根駅伝で活躍。
法政大学時代に山登り専門でもある第5区を担当しており、こちらも安定して上位に食い込んでいました。
そしてなんといっても、2020年卒業組みです。
長距離界で活躍している選手が多いのがこの2020年卒業世代。
興味がある方はこちらの記事をご覧下さい。
最後に山口浩勢選手(愛三工業)です。
城西大学時代には箱根駅伝4区で好成績を収めており、トラックでも1500m〜10000mまで好記録を持っています。
どちらかといいますとベテラン勢に入ってきており、三浦選手や青木選手の方が勢いはあります
ただし、安定感という点ではベテランの強みを発揮してくれることでしょう。
女子
山中柚乃選手(愛媛銀行)
東京五輪で日本人最高記録である9分43秒83を記録し、先日実施された日本選手権においても日本歴代2位をマークした選手です。
記録を伸ばし続けている選手なだけに、今大会での活躍に期待しましょう。
吉村玲美選手(大東大)
7月7日に日本陸連から追加選手の発表がありました。
その中の選手の1人が吉村玲美選手です。
山中選手も出場した日本選手権で9分39秒86(日本歴代5位)を記録した実績を持つ選手。
この記録は日本学生新記録であることからも、今後の大きな伸びが期待できます。
5000m
男子
先日実施されたゴールデンゲームスinのべおかで、13分10秒69という日本歴代2位というタイムを叩き出した遠藤日向選手(住友電工)が選出されております。
高校時代から大注目を集めていた選手。
世代最強と呼ばれており、そのまま大学へ進学し箱根で活躍かと思われていましたが、高校卒業後は住友電工に入社したことでも注目を集めました。
5000mでは13分20秒を切ること自体非常に珍しい中、13分一桁ももう目前。
海外勢を相手とした闘いが非常に楽しみです。
女子
この種目で最も注目されている選手と言えば、日本記録保持者である廣中璃梨佳選手(日本郵政グループ)でしょう。
帽子がトレードマークの選手で、安定して結果を残し続けている非常に強い選手です。
特に後半のキレが素晴らしく、ワクワクする走りを魅せてくれます!
続いては、萩谷楓選手(エディオン)です。
廣中選手や田中選手が強烈なので、知らない人もいるかもしれません。
しかし、この選手も5000mで15分を切っているとんでもない選手の1人なんです。
更に、出場した大会で大きく外さない安定感も、強みの1つといえるでしょう。
最後に、先程1500m部門で紹介した田中選手もこの部門にエントリー。
田中選手も15分を切っており、この種目での爆発も期待できます。
10000m
男子
田澤廉選手(駒大)
さて、10000mはといいますと田澤廉選手(駒大)が選出されております。
今や最強の学生ランナーといっても過言ではない田澤選手。
大学1年時から大活躍しており、先日実施された箱根駅伝でも2区で区間賞を獲得しております。
今回のオレゴンもそうですが、大学最終学年での箱根2区における1時間5分台が非常に楽しみな選手です。
伊藤達彦選手(ホンダ)
7月7日に日本陸連より追加招集が発表され、その中に名を刻んだ選手として伊藤達彦選手が挙げられます。
東京国際大学時代からエースとして活躍しており、箱根駅伝2区や10000mの日本選手権等で輝かしい実績を残しています。
特に注目なのは、苦しくなってからの粘りの走り。
非常にキツそうにも関わらず、その表情のまま最後まで失速することなく走り切る姿は見応えがあります。
※今回10000mの代表に選出されませんでしたが、相澤晃選手(旭化成)の今後にも非常に期待できます。
学生時代から大注目していた選手だったので、オレゴンでの活躍も見たかった……
女子
まずは、学生ランナーで注目を集めている小林成美選手(名城大)です。
昨年のホクレンディスタンスで31分22秒34と、当時の日本学生新記録を樹立。
各大会で活躍しており、日本選手権クロスカントリーでも実業団の選手を抑えて優勝しています。(この大会はゴール直前で一気に抜き去る負けん気の強さも見せてくれています)
今大会での活躍も楽しみな選手です。
続いて、五島莉乃選手(資生堂)ですが、安定感のある強さが持ち味です。
どの大会でも上位に入っており、今年実施された全日本実業団ハーフマラソンでは優勝も経験しています。
徐々に記録を伸ばしている選手なだけに、今大会での伸びにも要チェック!
最後は廣中璃梨佳選手です。
5000mに続き、10000mにもエントリー。
3人の中で一番速いタイムである31分00秒71を記録しているため、この種目でも期待大です。
マラソン
今回発表された選手達を見て驚いたのは、東京五輪のマラソンを経験した選手は一山麻緒選手の1名だけということです。
それだけ入れ替わりの激しい部門であると感じました。
まあ、その分競争が激しく、期待を持てる部門でもあります。
そんなマラソンにエントリーされた選手達はこちら!
男子
最も注目を集めているのは鈴木健吾選手(富士通)で間違いありません。
神奈川大学時代から2区で区間賞を獲得する等活躍しておりましたが、一気に注目されたキッカケはびわ湖毎日マラソンで2時間4分台をマークしたことです。
びわ湖毎日マラソンはコース設定上好記録が期待できない、と言われていた中でしたのでかなりの驚きでしたね。
そして、翌年開催された東京マラソンでも日本人1位を獲得する圧倒的な強さを発揮。
どんな走りを魅せてくれるのか非常に楽しみです。
続いては、星岳選手(コニカミノルタ)を紹介します。
帝京大学時代から安定した強さを発揮しており、先日実施されたびわ湖毎日マラソンで優勝し、オレゴン世界陸上代表の座を獲得した選手です。
びわ湖毎日マラソンでは、最終局面まで3位をキープし続け、勝負ポイントで一気に仕掛けてそのまま独走。あのしたたかさは、今大会でも役立つことでしょう。
最後に紹介する西山雄介選手(トヨタ自動車)も大学時代から安定した強さを発揮していました。
箱根駅伝には4年連続出場しており、全て上位の記録を残しています。
最も注目を浴びたのは別府大分毎日マラソンでの優勝。
この優勝をバネにオレゴンでの活躍も期待できる選手です。
女子
注目すべき筆頭は、一山麻緒選手(ワコール)で間違いないでしょう。
東京五輪出場を決定的にした名古屋ウィメンズマラソンから急成長しています。
名古屋で魅せたビルドアップには驚かされました。
後半30㎞以降、海外選手達と三つ巴状態になったのですが、その選手達も置き去りにして優勝したのです。
そのままの勢いで東京五輪でも入賞するという快挙を成し遂げており、今大会での活躍も期待できます。
続いては、松田瑞生選手(ダイハツ)です。
「強い」がピッタリ当てはまり、どの大会でも優勝ばかりしています。
鍛え抜かれた腹筋がトレードマークで、浪花節も非常に魅力的!
東京五輪はギリギリのところで漏れてしまいましたが、その後開催された大会では見事優勝。どのようなレースを魅せてくれるのか楽しみな選手です。
最後に紹介するのは新谷仁美選手(積水化学)です。
10000mとハーフマラソンでの日本記録を所持しておりますが、今回はマラソンで選出される規格外ともいえる選手。
1500m日本代表の卜部選手と同様TWOLAPSに所属しており、多方面で活躍しています。
マラソンを続けるか不明と明言しておきながら、オレゴンではマラソンで選出されていることから、いろんな意味で楽しみな選手です。
いかがでしたでしょうか?
どのような選手かを知ることで、大会当日をより楽しめるはずです。
みんなで日本代表を応援しましょう!
今回は以上です!
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